見える化手法

可視化照明

第1回 「可視化照明」


暗い映画館の中で空気中のホコリがキラキラと光って見えたり、夕日の差し込む室内で床面のホコリが浮かび上がるのをご覧になった経験がある方は多いと思います。

これらはチンダル現象やそれに類する現象によるものですが、近年照明の開発が進み高輝度でコンパクトな商品が安価に入手可能になった事もあり、ホコリ可視化照明はクリーン度改善に欠かせないツールになっています。

 

私の場合、ホコリの状況を多くのメンバーと共有したい場合、最も強力なHIDライト(写真上)を持ち込む事があります。やはり実際にホコリを「目で見る」事はパーティクルカウンター等のデータとは違う意味でインパクトがあります。

若干大きく携行性に劣る事が難点ですが、今の所レーザー光源を除けばこの用途でHIDライトに優る光源はないと思います。 

 

また最近ではLEDライトの性能も上がってきており、コンパクトさを優先してこちらを携行する機会も増えています。写真中央は現在使っているLEDライトで、ホコリの可視化性能ではHIDライトには及びませんが、安価で軽量な点が魅力です。

この種のLEDライトは光束(lm:ルーメン)などのカタログスペックが誇張されている場合が多いため注意が必要です。

 

小型のLEDフラッシュライト(写真下)は何処に行くのも一緒の必携ツールです。

空気中のホコリを全員で見るには力不足ですが、床面や素材表面のホコリを見る用途には十分使えます。

私が現在愛用しているのはLEDLENSERのP5R.2という機種ですが、コンパクトなサイズながら光束270lmと比較的強力でフォーカス調整が可能が事が、この用途に向いている点です。またUSB電源から充電できるのもランニングコストの面で嬉しいポイントです。

 

以上のまとめとして、可視化性能という点では光束(lm)が大きい事と、平行光に近い性質を持つ事が重要です。

平行光という点で太陽光やレーザー光源が優れているというわけですが、フォーカスコントロールなどでスポット光源に近い配光にできるほどホコリを可視化しやすいという事になります。

 

最後に光源自体の色味(色温度)が可視化性能に与える影響ついては、LEDに代表される比較的色温度が高い、青みがかった光源の方が見えやすいという意見が多い様です。

ただ私自身使ってみて、この様な光源で長時間作業を行った場合目の疲労感が大きい様に感じる事があります。

これが最近話題になる事が多いブルーライトの影響なのかは判りませんが、可視化照明で長時間のホコリを見る作業を行う場合、保護メガネや色温度の調整を行う必要があるかもしれません。